はじめに
ジムをオープンした初日、正直に言うとスタッフの雰囲気は最悪でした。
立ち上げ直後の働き方や考え方をめぐって意見がぶつかっていたからです。
「今は踏ん張る時期だ」と言う考えと、
「まずは無理のない体制を優先すべきだ」という考え。
その板挟みの中で迎えた初日の終礼は、かなり険悪な空気でした。
ただ、当時の自分は、
「立ち上げからこんな空気で大丈夫かな」という不安もありましたが
「数字がついてくれば、そのうち落ち着く」そう思っていました。
この時はまだ、本当の意味での厳しさを分かっていなかったと思います。
1ヶ月目|想定以上にうまくいったスタート
オープンして最初の1ヶ月は、体感としては最高のスタートになりました。
パーソナルの新規は想定以上に入り、成約率も高かった。
立てていた事業計画の売上目標を上回るスタートでした。
チラシを含め、事前に考えていた施策も一定の手応えがあり、
「やってきたことは間違っていなかったのかもしれない」そう感じていました。
ただ、今振り返ると、
すべてが順調だったわけではありません。
パーソナルの新規や売上という点では良い数字が出ていましたが、
月額会員という視点で見ると、当初思い描いていたペースとはまだ距離がありました。
当時は「まずは良いスタートがきれた」と自分を安心させていましたが、
この時点ですでに、運営としての課題の種は見えていたのだと思います。
2ヶ月目|一気にどん底へ
問題は2ヶ月目でした。
新規がほとんど来なくなった。
1ヶ月目の勢いが嘘のように止まり、問い合わせも体験も激減。
売上も大きく落ち込みました。
このとき1番きつかったのは、数字が下がったことそのものよりも、
「なぜ新規が来ないのかもわからないこと」でした。
何が原因なのか分からない。
何を直せばいいのかも分からない。
焦りと不安だけが、毎日少しずつ積み重なっていく感覚でした。
責任者として、1番きつかったこと
この頃の頭の中は、常に不安で埋まっていました。
・仕事に漏れはないか
・判断は本当に合っているのか
・伝え方を間違っていないか
・自分の未熟さがこの状況を作っているのではないか
安心できる時間はほとんどなかったと思います。
さらにこの時期、スタッフ対応に関する指摘が入ることもあり、
数少ない新規のお客様に十分に満足してもらえないケースも重なりました。
新規が来ない。
その中で、満足度にも不安が残る。
責任者として、自分の運営力を突きつけられているような感覚でした。
新規が来ない中で、選んだ判断
そんな状況の中で、1番自分が大事にしていたのはとてもシンプルなことでした。
「今、来てくれているお客様に全力で向き合うこと」
新規を追いかけることよりも、まずは目の前のお客様に喜んでもらう。
正解かどうかは分からない。
でも、信頼や紹介につながると信じていました。
不安だらけの中で、自分が唯一コントロールできたのは、
目の前の現場と、お客様への向き合い方だけでした。
だから、この判断を選びました。
おわりに
今振り返ると、この立ち上げ直後の1〜2ヶ月は、
「土台をつくる時間だった」と言われがちです。
でも正直にいうと、
当時の自分はまだ何ひとつ形にできていなかったと思います。
何が足りていないのか、
どこが弱いのか、
自分が責任者としてどれだけ未熟なのか。
そういう現実を、ひとつひとつ突きつけられた時期でした。
だからこそこの経験がなければ、
その後の判断や向き合い方も変わらなかったと思います。
次回はこのどん底の中で、何をどのように変えていったのか。
現場で下した判断について、もう少し具体的に書いていこうと思います。