
腰痛・肩こりが治らない理由とは?
長時間のデスクワークで腰痛や肩こりに悩んでいませんか?
マッサージや電気治療をして一時的には良くなったけど、すぐに痛みがぶり返す…。
そんな経験をしたことがある人は多いはずです。
実は、それらの治療はあくまで対処療法であり、根本的な解決にはなっていないのです。
痛みは結果であり、その原因となるものを解決しない限り痛みはまた再発してしまいます。
では、その原因とはなんでしょうか?
答えは姿勢です。
日常的に猫背や反り腰など、悪い姿勢になっていませんか?
姿勢が崩れてしまうと腰や肩に負荷がかかり、せっかく治療をしてもすぐに痛みを再発させてしまいます。
私は整骨院に勤めていた時代からパーソナルトレーナーとして活動している今まで、このような悩みを抱えてこられたお客様を診てきました。
そして実際に姿勢を良くするためにトレーニングをすることで、腰痛や肩こりが改善された方々がたくさんいらっしゃいます。
この記事では腰や肩こりを根本から改善するためのトレーニングから、正しい対処療法との付き合い方をお伝えしていきます。
あなたも実践していくことで腰痛や肩こりに悩まない快適な生活を手に入れられるはずです。
それでは、一緒に改善に取り組んでいきましょう!
そもそも悪い姿勢ってなに?

座っている時に見られるパターンを3つ紹介していきます!
猫背
「悪い姿勢」と聞くと、まず思い浮かぶのがこの猫背でないでしょうか?
座った時に背中が丸まり、肩が内側に入り、頭の位置が前に出るのが特徴です。
この状態が続くと背中や腰に負担がかかり、腰痛、肩こりにリスクが高まります。

反り腰
背筋が伸びて胸を張っているので、一見綺麗な座り方に見えますよね?
しかし、実は腰に大きな負担がかかっています。
骨盤が前に傾き腰が反った状態になることで、腰の筋肉が常に緊張し、結果的に腰痛を引き起こしやすくなるのです。

仙骨座り
骨盤が後ろに傾いた状態で座ることを「仙骨座り」と言います。
通常、座るときは「坐骨」と呼ばれる骨で身体を支えますが、仙骨座りでは「仙骨」に体重が乗るため、腰が丸まり、背中全体が崩れやすくなります。

正しい座り方
では、正しい座り方とはどのようなものでしょうか?
椅子に座るときは以下のポイントを意識しましょう。
①坐骨で座る
椅子に座り、身体を左右に揺らしてみてください。ゴリゴリと椅子に当たる骨(坐骨)を感じたら、その坐骨に体重を乗せるようにします。
②骨盤を立てる
骨盤をまっすぐに立て、背筋を伸ばしましょう。
③膝の角度を調整する
膝は90度になるように調整します。
④耳・肩・骨盤を一直線にする
横から見たときに、耳・肩・骨盤が一直線になっていると、良い姿勢の目安になります。

この正しい座り方がキープできれば、腰や肩への負担は大幅に軽減されます。
まずは鏡でチェックしてみてください。
あなたも「意外と大変…」と感じるかもしれませんが、続けることが大切です。
姿勢が崩れる原因とは?
なぜ姿勢が崩れてしまうのか。
結論から言うと、筋力の低下が原因です。
人間の筋肉量は20代でピークを迎え、その後は年々筋肉量が減少し、40代以降は年に1%ずつ減っていくと言われています。
筋力が低下することで、身体を支える力が弱まり、正しい姿勢を維持することが難しくなります。
さらに、現代社会では自動車や電車の普及、デスクワークの増加、室内で過ごす時間の増加で、
自然と身体を動かす機会が減少しています。
特に座っている時間が長くなると、背中を丸めたり、頬杖をついたりと、楽な姿勢を取ってしまいがちです。
こうした姿勢が続くことで、筋肉を使わなくなり、さらに筋力が低下しやすくなります。
結果として、筋力の低下が進み、正しい姿勢を維持できなくなり、姿勢が崩れてしまうのです。
姿勢を改善するためのトレーニング

姿勢を改善するには、次の3つの筋肉を鍛えることが重要です。
ぜひチャレンジしてみてね!
腹横筋
腹横筋は、お腹を包み込むようにある筋肉で「天然のコルセット」とも呼ばれています。
姿勢を安定させる役割を担っているので、鍛えることで姿勢の改善につながり、無意識のうちに良い姿勢が保てるようになります。
逆にこの筋肉が弱化していたり、猫背など不良姿勢となっていると、腹横筋の一部が緩んだり縮んだりすることで
うまく働くことができなくなってしまいます。
それでは、トレーニング方法を見ていきましょう。

ドローイン
①仰向けに寝て、軽く膝を曲げます。
②お腹を軽くへこませながら、鼻から息を吸いましょう。
③口からゆっくり吐きながら、おへそを背骨に近づけるイメージでお腹を引き締めていきます。
④そのまま10〜15秒キープし、自然な呼吸を続けましょう。
⑤力を抜いて元の状態に戻し、これを5回程繰り返します。

ドローインのポイント
- 腰は反らないように注意する
- 息は止めずに、ゆっくりとした呼吸を繰り返す
- 慣れたら座った状態や立位で行うことで、より日常生活に近い状態で筋肉を使う
プランク
①うつ伏せになり、両肘を方の真下につきます。
②つま先を立て、身体を持ち上げます。
③頭から踵まで一直線の姿勢をキープします。
④30秒〜1分間を2〜3セット行いましょう。

プランクのポイント
- お尻が下がったり、上がりすぎないように注意
- お腹の力が抜けないように意識する
- 余裕がある場合は、片足を浮かせたり、腕を前に伸ばして行う
脊柱起立筋

脊柱起立筋は背骨の両側に沿って走行する筋肉群で、背骨を支え、姿勢を維持する役割を持っています。
この筋肉が弱いと背骨が正しく支えられず猫背になってしまい、必要以上に緊張してしまうと腰を反らせる力が強くなり、反り腰につながります。
そのため、ただ筋力が強いだけではなく、柔軟性もある状態が求められます。
バードドッグ
①床に膝を立てた状態で四つ這いになり、手は肩の真下、膝は股関節の真下にセットします。
②お腹に力を入れて、背中が丸まったり反ったりしないように姿勢を整えます。
③右手と左足を同時にまっすぐ伸ばし、身体がぶれないように3秒キープします。
④ゆっくり元の姿勢に戻し、反対側(左手と右足)も同様に動作します。
⑤左右交互に10回ずつ、2〜3セット行いましょう。

バードドッグのポイント
- 腰が反らないように注意
- 動作はゆっくり行うことを意識する
スフィンクス
①床にうつ伏せになり、両肘を肩の真下につきます。
②肘で床を押しながら胸を持ち上げ、背中を反らせます。
③腰が反りすぎないように注意しながら、背筋を意識します。
④その姿勢を30秒キープ、2〜3セット行いましょう。

スフィンクスのポイント
- 腰を反らしすぎないように、腹筋も軽く意識する
- ただ上体を起こすのではなく、肘でしっかり床を押し、背中全体の筋肉を使うように意識
- 呼吸は止めないようにする
大臀筋

大臀筋はお尻の表層にある大きな筋肉で、骨盤の安定化に多大な役割を持っています。
この筋肉が弱いと骨盤が不安定になり、
骨盤が前傾してしまうと反り腰に、後傾してしまうと猫背や仙骨座りの原因になります。
大臀筋が機能することで姿勢の土台をつくることができます。
スクワット
①両足を肩幅程度にセットします。
②つま先を30度程外側に向け、膝もつま先と同じ方向に向けてください。
③つま先や踵に重心が偏らないように、足の裏全体で床を踏むように意識します。
④お尻を後ろに引くようにして下げながら、ゆっくりしゃがんでいきます。
⑤深さは太ももと床が平行になるくらいまでを目指します。(無理なら浅めでもOK)
⑥膝と股関節を同時に伸ばすようにして、足の裏全体で踏ん張りながら立ち上がります。
⑦10〜15回を2〜3セット行いましょう。

スクワットのポイント
- お尻を引くようにしゃがみ、膝が前に出過ぎないようにする
- 腰が反らないように注意
- 慣れてきたら踵側で踏ん張るようにすると大臀筋への負荷UP!
ヒップリフト
①仰向けに寝て、膝を90度に曲げ、足裏を床につけます。(足幅は腰幅程度)
②腰を反らないように注意しながら、お尻を持ち上げていきます。
③肩から膝まで一直線になる位置まできたら、1〜2秒キープする。
④ゆっくりとお尻を床に戻します。
⑤10〜15回を2〜3セット行いましょう。

ヒップリフトのポイント
- 踵に重心を置くことで大臀筋に効きやすくなる
- 腰が反らないように注意
対処療法との正しい付き合い方
ここまで腰痛や肩こりを根本改善するために大事なのは「良い姿勢を維持するための筋力をつけること」と解説してきました。
しかし残念ながら、筋肉は一朝一夕でつくようなものではありません。
筋肉がつくスピードはトレーニングの頻度や強度、食事、遺伝など様々な影響があるため一概には言えませんが、
効果を実感するには3〜6ヶ月程度はかかるでしょう。
では、それまではどのように痛みと向き合ったらいいのでしょうか?
姿勢が改善され、身体がしっかり支えられるようになるまでは「対処療法で痛みが出ないようにサポート」をしていく必要があります。
これは成長途中の大木と同じです。
まだ根が十分に張っていない若木は台風や強風で強風で倒れてしまうかもしれません。
しかし、定期的に手入れやサポートをすることで、やがて強固な根を張り、風に耐えうる大木へと成長します。
身体も同様に強い身体を手に入れるまでは、対処療法というサポートをしていく必要があるのです。
執筆者おすすめの対処療法はこちら
- 整骨院や鍼灸院での治療(店舗によっては根本改善まで可能)
- マッサージ
- ストレッチ(セルフケア)
- マッサージガン(セルフケア)
また、姿勢が維持できるようになっても常に理想の姿勢で過ごせるとは限りません。
デスクの高さや椅子の形状、長時間の作業環境によっては、どうしても姿勢が崩れてしまうこともあるでしょう。
無意識のうちに猫背や反り腰になってしまうこともあり、気づけば腰や肩が緊張して、痛みが生じてしまうことも。
筋力を鍛え、姿勢を維持できるようになってからも、身体に負担を溜め込まないためには定期的にメンテナンスをしていくことは重要です。
「その日の疲れはその日のうちにリセットする」
これを習慣にすることで筋肉を良い状態に保ち、より身体に悩みのない生活を手に入れることができるでしょう。
まとめ
- 腰痛や肩こりの原因は姿勢にあり
- 正しい座り方を身につけ、猫背、反り腰、仙骨座りを改善することが重要
- 腹横筋、脊柱起立筋、大臀筋を鍛えることで、自然に良い姿勢を維持できるように
- 対処療法は筋力がつくまでのサポート、定期的なメンテナンスとして活用する
どんなに年齢を重ねても、正しい方法で筋肉は鍛えられます。
日々の積み重ねが、痛みのない快適な生活へとつながります。
ぜひ今日から姿勢を意識し、トレーニングを実践してみてください!
まずは週に2回を目安にやってみるといいでしょう。
今後も「大人のボディメイク・ケア習慣」では、皆様が一生動ける身体でいられるための
情報をお届けして参ります。
ぜひ参考にしてもらえれば幸いです。
それではまた次の記事でお会いしましょう。
またね。